【指導編まとめ】子どもの状態と指導者のすべき行動

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子どもの指導に関して、これまで記事を書いてきました。

今回の記事では、子どもの状態に応じて、指導者がすべき行動を体系的にまとめてみました。

大前提として、子どもの状態をきちんと指導者が見てあげることが大切です!

この子は正しい動き(言われたこと)ができているのか、いないのかに加えて、やる気があるのか、ないのかを見極めましょう。

それぞれの状態に応じて、指導者がすべき行動が変わってきます。

きちっと子どもの状態を見極めることができれば、指導者が叱る場面はそう多くないです。

子どもが自ら成長する仕組みを指導者が作り上げて、みんなで稽古を盛り上げましょう。

この記事でわかること
  • 子どもの状態に応じた指導者の行動
こんな方に読んでほしい
  • 子どもを指導するすべての指導者
目次

4つの分類

稽古中の子どもの状態は4つの分類に、フレームワークで分けることができます。

そして、その状態に応じて指導者がすべきことは以下の通りです。

(軸:子どもの状態、緑の枠:指導者がすべきこと)

  1. やる気がある × 正しいことをしている → 褒める
  2. やる気がある × 間違っている → 伝える
  3. やる気がない × 正しいことをしている → 工夫する
  4. やる気がない × 間違っている → 叱る

それぞれの子どもの状態と、指導者がすべきことについて、紹介していきます。

やる気がある × 正しいことをしている → 褒める

最も良い、理想的な状態です。

具体的な子どもの状態の例
  • 充実した気勢で、大きく真っ直ぐ素振りができている。
  • きびきび行動していて、返事の声が大きい。

この時に指導者がすべきことは、「褒める」ことです。

褒めることで子どもは、モチベーションが高まり、より正しいことをしようと、図でいうより「右上方向」へ進もうとしてくれます。

褒めることのメリットはこちらの記事で紹介しています。

この状態に持ってくることができれば、さらにレベルの高い稽古に取り組むことができます。

注意点

この状態に到達後さらにレベルの高い稽古に移行すると、新たに「できないこと」が出てきます。

「間違っている」と言うほどではないにしても、「正しいことができない」状態となります。

示した図で言うと、「褒める」の領域から、左方向へと状態が変化します。

すなわち、次に指導者がすべきことは「伝える」です。

「伝える」について詳しくは、次で紹介します。

やる気がある × 間違っている → 伝える

一生懸命やっているけど、上手くいっていない。

やる気が空回りしている状態です。

具体的な子どもの状態の例
  • 真剣に取り組んでいるが、跳躍素振りの手と足がバラバラ。
  • 先生の話を聞いていても、出端技のタイミングが遅い。

この時、「自分がどう間違っているのか」子どもたちが気づいていないことが多いです。

そんな時は、指導者が子どもに「伝える」ことが大切です。

正しい動きができていない場合は、指導者が教え方を工夫しましょう。

この時、「なぜこの子はこの動きができないのか」を懸命に考えることが必要です。

この「なぜ」を考える方法として、「なぜなぜ分析」があります。

注意点

この状態の時にやってはいけないことは、「叱る」ことです。

正しいことが分かってない状態で叱っても、子どもたちは「なぜ叱られたのか」を理解できません。

そして、当初あったやる気が削がれていきます。図で言うと「下方向」へ移動します。

指導者が、良くない状態に導くことはあってはならないことです。

図で言う右上の領域の状態に導けるように、「子どもにわかるように説明すること」が最も大切です。

やる気がない × 正しいことをしている → 工夫する

やってることは間違ってないけど、気合いが入っていない。

いつも同じ稽古を繰り返し行なっている時に、よくなる状態です。

具体的な子どもの状態の例
  • 基本技のルーティン稽古を漫然と行う。
  • 係り稽古が「こなす稽古」になってしまっている。

こういう時は、稽古内容に工夫を持たせましょう!

「切り返し」でも「面打ち」でも、ほんの少し方法を変えるだけで新しい気持ちで取り組むことができます。

図でいう「上方向」へ状態を変化できます。

有名なところだと、杵築中の高倉先生は稽古法にバラエティを持たせていて、工夫の参考になります。

他の道場や先生の取り組みで、いいなと思うものはどんどん取り込んでいきましょう!

注意点

こういった状態の時、指導者は怒りがちです。

若手指導者

ちゃんとやれー!気合い入れろー!

確かに怒りたい気持ちもわかります。

ですが、やる気がない、モチベーションが上がらない原因は、実は指導者にあることが多いです。

子どもの集中できる時間はそんなに長くはありません。

30分集中できたらいい方です。

こういう時は、やる気を促す、集中力を高める稽古方法を取り入れましょう。

集中力を引き出す方法はこちらで紹介しています。

また、小学校中学年や高学年くらいになってきたら、「自分で自分のやる気を高められるようになってほしい!」と私は思います。

『自制心を高められるような指導』もレベルアップに必要です。

こちらで関連した内容を書いています。

この考え方を、子どもたちにも身につけてもらいましょう!

やる気がない × 間違っている → 叱る

最も良くない状態です。

この状態で稽古に取り組んでも、得られるものがありません。

きっちり叱るべきところは「正しい方法で」叱りましょう。

叱る場面とポイントはこちらで紹介しています。

子どもに頼りっぱなしではなく、指導者もこの状況を打開する方法を考えなければいけません。

ショーダン

その方法については、もうすでにお示ししました!

  • やる気がある × 間違っている → 伝える
  • やる気がない × 正しいことをしている → 工夫する

これらの状態を解決する方法、すなわち「伝える」「工夫する」を試せば良いのです。

個人的におすすめの方法は、子どもたちに「競争をさせること」です。

「より正しくできているのはどちらか!?」という競争ができれば、やる気が生まれて、正しいことを身につけようとしてくれます。

競争心を育てる稽古についてはこちらで紹介しています。

注意点

注意すべき場面についてもこちらの記事で紹介しています。

「子どもたちのやる気を引き出す叱り方」が必要だということですね。

愛を持って叱って、この領域を抜けましょう!

まとめ

今回は子どもの状態を4つに分けて、それぞれの状態で指導者のすべき行動について書きました。

実際の稽古の場面では、この4つが入り混ざった状態になっていることが多いです。

子どもによっても違いますし、稽古内容によっても違います。

要素に分解して、一つ一つ問題を解決していきましょう。

また、すべての課題がすぐに解決できるわけではありません。

指導者も子どもも根気よく継続することで、成長することができます。

子どもの状態を見極めてやるべきことを判断し、継続して取り組みましょう!

そして、子どもと一緒に指導者も成長しましょう!

以上、ケンドーショーダンでした。

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この記事を書いた人

アラサー会社員。20代で五段取得、大学院卒業の剣士です。
普段は所属道場で週1回、子どもの指導と自分の稽古を行っています。
大人になって、自分は指導者に恵まれていたと気づくことができました。
今まで剣道を続けてきて・教えてきて思ったことやノウハウを発信できたらと思います。

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