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この前の試合は相手が二刀流だったよ。。
全然戦い方が分からなくて、負けちゃった。。
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初めて二刀流と戦う時は、どうしたらいいか分からないですよね。。
でも、二刀流の人がどう戦うかを理解できれば、対等に戦えますよ!
剣道では、大学生以降で「二刀の構え」をとることができます。
ですが、実際に二刀で構える人と稽古する機会は、普通なかなかありませんよね。
二刀と稽古する機会がないのに、いきなり試合で戦うとなるとパニックになるのも当然です。
今回の記事では、二刀との戦い方について紹介したいと思います。
私はありがたいことに大学時代にほぼ毎回の稽古で、二刀の方と稽古ができていました。
これだけ二刀との稽古を積んできた人は少ないかと思います。
私の経験が、多くの人の役に立てばと思います!
- 二刀の基礎知識
- 二刀との戦い方
- 二刀と稽古する機会が少ない方
- 二刀に勝ちたい方
- 二刀で強くなりたい方
二刀の基礎知識
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二刀の竹刀
二刀は「大刀」と「小刀」の2本の刀を持って構えます。
それぞれの刀のサイズや重さは決まっています。
分かりやすいところだと、「大刀」は「37(中学生用)」の竹刀と基準は同じです。
詳細な基準は以下の通りです。
対象 | 大刀 | 小刀 | |
長さ | 男女共通 | 114 cm以下 | 62 cm以下 |
重さ | 男性 | 440 g以上 | 280 ~ 300 g |
女性 | 400 g以上 | 250 ~ 280 g | |
太さ | 男性 先端部最小直径 | 25 mm以上 | 24 mm以上 |
男性 ちくとう最小直径 | 20 mm以上 | 19 mm以上 | |
女性 先端部最小直径 | 24 mm以上 | 24 mm以上 | |
女性 ちくとう最小直径 | 19 mm以上 | 19 mm以上 |
字だけでは分かりにくいので、以下の図で表してみました。
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「小刀=とっても短い竹刀」と、「大刀=37の中学生用竹刀」を持ってる、と考えれば良いでしょう。
二刀の構え
竹刀の構え方は、大刀を頭上に、小刀を前に構えます。
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どちらの手に、どちらの刀を持つの?
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自由に決めていいです!
足も、右足が前か左足が前か自由です!
二刀の構え方は四通りあります。
右利きの人が多いので、私の経験上では①が一番多いです。
- 右足前 × 右手に大刀(正二刀)
- 左足前 × 左手に大刀(逆二刀)
- 右足前 × 左手に大刀
- 左足前 × 右手に大刀
基本的にどんな構えであろうと、戦い方は変わらないです。
「お、こいつはこういう構えなんだ。」くらいで、軽くとらえるようにしましょう。
二刀の人の小刀の使い方
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大刀での打ちは、「左手に持っている」か「右手に持っているか」で方向は少々変わってきますが、基本的には上段からの打ちと同じです。
すなわち、二刀は「上段に小刀を持たせた」と考えましょう。
なので、上段との戦い方を基本としながら、小刀の使い方を知る必要があります。
小刀をどう使うのかを、「二刀をしている人目線」で知りましょう。
小刀は相手の竹刀を制す
「小刀で相手の竹刀を押さえて、大刀で打つ」のが二刀の人の戦い方の基本です。
小刀の届くところに相手の竹刀があれば、打突のチャンスです。
また、相手の出端のタイミングで竹刀を小刀で押さえることができれば、こちらも打突の好機です。
小刀は短いため力が伝達しやすく、グッと強い力で押さえることができます。
自分の道を切り開くための小刀、ということですね。
小手や胴を打った後は小刀で面を隠す
先ほどは攻撃における小刀の利用ですが、防御でも小刀を使います。
特に面が空いてしまう時に、小刀を使って面を隠すことができます。
具体的には、「小手を打つ時」と「胴を打つ時」です。
大刀が降りてしまう時に、小刀を上げて面を防ぎます。
そうすると、相手の「打ち終わりを狙う技」が効かなくなります。
小刀は打った後の自分を守る役割も果たしています。
対二刀の戦い方
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小刀に自分の竹刀を触らせない
よく言われる二刀との戦い方は、「小刀を無視して、大刀だけ気にする」です。
言葉の通りに戦うと、気にしていなかった小刀に竹刀を掴まれてしまい、二刀の戦略の思う壺です。
二刀との戦い方で最も重要なことは、「小刀の効果を発揮させないこと」です。
小刀の効果が無くなると、相手は「片手で37の竹刀を持った人」になります。
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両手で39の竹刀を持っている方が有利に感じませんか?
小刀の効果の1つである、「相手の竹刀を制す」をさせないようにしましょう。
基本は「平青眼の構え」
大刀は基本的に上段と考えれば良いので、「平青眼の構え」が最も相性が良いです。
平青眼の構えとは簡単にいうと、上段の相手の左小手に剣線を向ける構えです。
なぜ相性が良いかというと、剣先が中心から外れることで、小刀に竹刀を掴まれづらくなるためです。
そして、大刀の打ちに対しても、対上段と同じように対応することができます。
二刀との戦いに慣れていない方は、まずは平青眼の構えをオススメします。
小刀で防いでいても後打ちはする
二刀の選手は打ち終わりに面を小刀で隠すことが多いです。
ですが、返し技など打ち終わりを打つ技も積極的に出しましょう。
二刀は審判も慣れていないので速く打ち込めば、防がれても一本となる可能性はあります。
中段同士の対決でも見間違えはあるので、二刀との試合でも審判は見間違えることはあります。
また、二刀の選手が面を警戒することで、胴や突きなどが打てる機会が増えます。
決まらないから打たない、ではなく、打っていく中で機会を見つけましょう。
フィジカル勝負も時にはあり
二刀の弱点の一つとして、踏ん張りが効かないことがあります。
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両手をぶらんとさせた状態と、両手を繋いだ状態とでどっちが体が安定しますか?
きっと後者のはずです!
二刀は片手に竹刀を1本ずつ持つので、両手に1本の竹刀を持つよりもバランスが崩れやすいです。
上手く崩すことができれば、小手や胴を空けて打ち込むことができます。
一方で外国人で二刀の選手が多いのは、自分のフィジカルを活かしていると考えます。
二刀に対して打つべき技
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大刀を持っている方の小手
上段と違うポイントとして、片手で竹刀を持っているかつ、竹刀が37の長さであることがあります。
正しい姿勢で素早く相手の懐に飛び込んで小手を打てれば、抜き面を打たれることは少ないです。
また、正二刀の相手の場合は面に飛ぶような形で小手に飛ぶことができ、比較的安全に打ち込むことができます。
小手と同様の形で、当たらない前提で面を打ち込むのも相手の手数を減らすことができるので、戦略としてありです。
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普通に中段や上段と戦うときと同じように、出端が分からないように打ち込むことが前提ですよ!
小刀を持っている方の小手も、もちろん打突部を捉えていれば一本にはなりますが、大刀が振り下ろされるリスクがあります。
機を見て打ち込みましょう。
擦り上げ面、返し面
二刀の打突部位が空く、数少ない場面です。
上段に対してと同様に、大刀から振り下ろした面に対して、擦り上げたり返したりして面を打ちます。
二刀が面を打つ時は大刀を持っている方の脇の下あたりに、小刀を持ってくることが多いです。
なので擦り上げや返しを綺麗にできれば、ガラ空きの面を捉える事ができます。
二刀との戦い方の注意点
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突きはちゃんと機会を作って突く
二刀にとって中段の相手の突きは、絶好のチャンスです。
突いてきた竹刀を小刀で制することができれば、高確率で面を打てます。
突きは機会を作って、ここぞという時に打ちましょう。
もちろん、中段相手でも隙を掴んで突くのが得意な方は打っても構いません。
空いている打突部位が突きしかないからといって相手が十分なところに突きに行くのはリスクが大きいので、注意しましょう。
まとめ
今回は二刀との戦い方について説明しました。
二刀と戦うときのポイントは「小刀を利かせないこと」です!
小刀の特に大きな役割は以下の2点です。
- 相手の竹刀を制す
- 相手の後打ちの面を防ぐ
これらの役割を果たせなくなった二刀は「37の竹刀を片手で上段に構える人」になるので、ずいぶん戦いやすくなります。
「小刀を利かせない」ためには、基本は平青眼で構えて、自分の竹刀を小刀に触らせないようにしましょう。
二刀の打ち終わりを後打ちしても小刀で防がれることは多いですが、後打ちをしましょう。
相手に後打ちを警戒させて、新たな隙を狙いましょう。運が良ければ、当たってなくても1本になることもあります!
二刀と戦う経験が少ない方には、次の技を打つことをオススメします!
- 大刀を持っている方の小手
- 擦り上げ面、返し面
注意点としては、空いてもないのに強引に突きを打たないようにしましょう。
二刀が十分な体勢の時に突きを打つことは、相手に面を差し出すのと同じことです。
必ず機を見て、突きましょう。
ここまで説明してきましたが、やはり「分かること」と「できること」は違います。
二刀に慣れていない方は、稽古で積極的に二刀の方に懸かるようにしましょう。
なかなか二刀の方と出会うことも少ないとは思うので、見かけた時はチャンスです。
そうして、「分かる」から「できる」へ成長していただけたら私も嬉しいです。
また今回の記事は、二刀の方には「相手がどう戦うか」の参考になると思います。
二刀の方も中段や上段の方も、相乗的に成長しましょう!
以上、ケンドーショーダンでした。