私が迎え突きをしない理由
私は子どもとの稽古でも、大人との稽古迎え突きをしないようにしています。
理由は、もっと自分が成長したいからです!
高段者の先生に迎え突きをされた経験のある人は多いのではないでしょうか。
私も経験があり、その度鎖骨の下あたりに赤いアザができていました。
ですが、いろんな先生と稽古をして気づくことがありました。
あれ、本当に強い先生は迎え突きしないぞ?
その理由を自分なりに考えた結果、迎え突きをやらないことにしました。
今回はその理由について紹介したいと思います。
- 迎え突きの目的
- 迎え突きのデメリット
- 私が迎え突きをしない理由
- 今まで何気なく迎え突きをしていた剣士
- 相手の技を封じるために迎え突きをしていた剣士
迎え突きの目的
迎え突きとは、「相手が出てくるところに対して、自分の剣先を相手の突きや胴の胸の部分に当てて制すこと」を一般的に指します。
そもそも、なんで迎え突きをするのか、目的を考えてみます。
打つ機会でないことを伝える
最もよく言われる目的がこれです。
「ほら、構えを崩せていないから、竹刀が刺さっちゃうんでしょ?」 というような具合です。
打つべき機会としてよく言われているのは以下の6点です。
- 相手の動作の起こり頭(出ばな)
- 相手の技が尽きたところ(動作や技が終わったところ)
- 相手が居ついたところ(緊張が緩んでしまった瞬間や気持ちで圧倒されて動けなくなったところ)
- 引きはな(後ろに退くところ)
- こちらの技を受け止めたところ(受け止めた場所以外のところに隙が生じる)
- 息を深く吸うところ(息を吸う時、動作は止まる)
この中で言うと、やはり「出端では無いよ」と伝えているのかなと個人的には思います。
そして打たないと、攻められて打たれるというオチですよね。。
迎え突きされたら、「相手の動かし方を研究しなさい」と言うメッセージだと思っています。
中心を取れてないことを伝える
こちらを目的に迎え突きを行うのは良いかと思います。
ほとんど「突き」を打っているのと変わらないです。
中心を取らずに攻めている時に、突き垂れにストンと剣先を置くように迎えられると、「あぁ、全然ダメな攻め方なんだなぁ」と感じます。
構えが固くて全く中心を譲らない先生や、柔らかい構えの先生がいらっしゃると思いますが、後者の先生にこれをされると、ハッとすることが多いです。
恐怖心を乗り越える
突かれてもいいから、思いっきり飛び込む勇気が身に付きます。
上手く攻めれていない時は迎え突きで止めて、良い攻めの時はしっかり打たせてやる。
かかる側は捨て身で、恐怖心を乗り越えて打つ。
こうした鍛錬で気が練られていきます。
また、いい加減な打ちをさせないことで、打ちの精度を高められます。
迎え突きのデメリット
以上のような目的を持っていたとしても、注意して行わないとデメリットも伴ってきます。
相手に怪我をさせる可能性がある
私も何度も鎖骨あたりに赤いアザを負いましたが、アザだけでは済まない場合も出てきます。
スコップ突きのように下から突き垂れに入り込み、頭から倒れるなどが起こってしまうと、大怪我につながります。
練度が伴っていないで行うと、非常に危険な行為であることを認識しましょう。
相手が思いっきり打つのを躊躇させる
危険な道を避けるのが人間の習性です。
上で話した怪我を予想し、思い切った技が出せなくなります。
迎え突きの目的のところでは「恐怖心を乗り越える」と書きましたが、指導のされ方次第で、勇気がつくか、諦めてしまうかのどちらかになってしまいます。
目的を意識した上で迎え突きするのが大切です。
迎え突きをしない理由
では、私が迎え突きしない理由に移りたいと思います。
基本的に迎え突きする相手は格下の相手や同じくらいのレベルの相手かと思います。
大元にあるのは、格下や同レベルの相手でも成長するという気持ちです。
どういうことかを以下で説明します。
相手を誘い出せていないと考える
迎え突きとなる場面は、自分の意図しないところで相手が打ってきたためと考えます。
すなわち、自分の攻めが効いていない、攻めの組み立てが悪いということです。
狙い通りに相手の技を引き出したいのならば、自分の攻めを見直します。
相手の出端に技を出せていないと考える
先ほどの「誘い出せていない」とも関連します。
相手の打ちのフェーズによって、応じ技が変わってくると私は考えます。
- 相手が打ち出す前に応じることができる
→先々の先の技(出小手、相小手面) - 相手が打ち出した直後に応じることができる
→後の先(返し技、すり上げ技)
迎え突きになってしまうのは、相手の打ちに対してどうすることもできず、結果的に「迎え突きとなってしまった」と考えます。
一本になる応じ技を出せるよう、よく分析を行います。
自分は居着いてしまっていると考える
相手を誘っておらず、自分が技を出す気がなくて迎え突きした場合、「ただ構えた状態で突っ立っていただけ」と考えます。
これは、今回は偶然迎え突きとなったけれでも、より勢いのある相手と対峙した場合は剣先が外れてしまい、完全に居着きを打たれた形となってしまいます。
こう言う時は、「あ〜ダメだ、打てる体勢、状況になっていない」と反省します。
迎え突きになってしまう場合の対応
自分の応じようとするタイミングと違うタイミングで相手が飛び込んできて、結果的に迎え突きとなってしまう時は、すかさず剣先を相手から外して打たれることとしています。
技が出せていない時点で、自分は負けていると考えて、どうせなら打たれることしています。
特に同じレベルの方や目上の先生と稽古する場合はそうしています。
たまに迎え突きを避けると、「突いてくれ」と言ってくださる先生もいます。
突かれる状況だったと相手の先生が認識できている、すなわち、その先生自身は「打つ機会でなかったこと」が分かっていると言うことなので、そういった先生との稽古は練度の高いものとなります。
攻め合いで負けた場合は、素直に負けを認めて、勝つためにどうすべきか考えるようにしています。
まとめ
今回は私が迎え突きをやらない理由を紹介しました。
そもそもの迎え突きの目的は以下の3点です。
- 打つ機会でないことを伝える
- 中心を取れてないことを伝える
- 恐怖心を乗り越える
迎え突きのデメリットは以下の2つです。
- 相手に怪我をさせる可能性がある。
- 相手が思いっきり打つのを躊躇させる。
そして、私が迎え突きをしない理由は以下の3つです。
- 相手を誘い出せていないと考える
- 相手の出端に技を出せていないと考える
- 自分は居着いてしまっていると考える
迎え突きになってしまう場合の対応としては、 すかさず剣先を相手から外して打たれることとしています。
ただ、技をポンポン出してきて、何度応じても工夫がない場合など、練度が上がらない稽古になってしまう場合は、相手をよく指導する必要があります。
そう言う時は、まずは言葉で伝えて頭で認識させて、その上で行動で指導しましょう!
以上、ケンドーショーダンでした。