日本剣道形が覚えられないあなたへ。動き方だけを10本目までシンプルに解説
剣道の昇段審査に臨むにあたって、日本剣道形の勉強をしますよね。
先生に習う、先輩に習う、ネットで調べる、Youtubeを見るなど、さまざまな勉強法があります。
公式の日本剣道形の解説としては、「日本剣道形解説書」というものがあるのはご存知でしょうか。こちらは、全日本剣道連盟のHPの全剣連書庫の中にあります。
少しこの中身を見てみると、1本目は次のように書いてあります。
打太刀は諸手左上段、仕太刀は諸手右上段で、打太刀は左足、仕太刀は右足から、互いに進み、間合いに接したとき、打太刀は機を見て右足を踏み出し、仕太刀の正面を打つ。
仕太刀は左足から体を少し後ろに自然体でひくと同時に、もろても後ろにひいて、打太刀の剣先を抜き、右足を踏み出し、打太刀の正面を打つ。打太刀が剣先を下段にまま送り足で一歩ひくので、仕太刀は、十分な気位で打太刀を圧しながら、剣先を顔の中心につけ、打太刀がさらに一歩ひくと同時に、左足を踏み出しながら、諸手左上段に振りかぶり残心を示す。
日本剣道形解説書
書いている内容はもちろん正しいですが、一文が長くて少々読みづらいですね。
今回の記事では、1〜10本目まで動き方をなるべくシンプルに、分かりやすく伝えていきます。
「『現代語版』日本剣道形解説書」となれば幸いです。
日本剣道形で共通する大事なことについてはこちらの記事で解説しています。事前にこちらの記事を読むと、より正しい動きを身につけることができます。
- 日本剣道形1〜10本目の動き方
- 日本剣道形の動き方を一から学ぶ方
- 難しいことはいいから、とにかく動き方だけ学びたい方
「剣道昇段塾」というYoutubeチャンネルでは、動画で日本剣道形の動き方を紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
日本剣道形〜太刀7本〜
1本目
- 打太刀は左足を前に出して左上段をとります。
仕太刀は足はそのままで右上段をとります。 - 打太刀は左足から大きく歩み足で、3歩前進します。
仕太刀は右足から大きく歩み足で、3歩前進します。 - 打太刀は右足を前に出して刀を振り下ろして、相手の足まで剣先を下ろします。
仕太刀は左拳を後ろに引きながら、左足から1歩下がって相手の打ちを避けます。 - 仕太刀は右足から1歩前進して、相手の面を打ちます。
- 打太刀は左足から半歩下がります。
仕太刀は剣先を相手の眉間につけます。 - 打太刀はもう一度左足から半歩下がります。
仕太刀は左足を前に出して左上段をとります。 - 打太刀はゆっくり刀をあげて、中段の構えに戻ります。
仕太刀は左足を下げて、中段の構えに戻ります。
2本目
- 打太刀・仕太刀ともに中段のまま、右足から大きく歩み足で3歩前進します。
- 打太刀は右足を出しながら振りかぶって、小手を打ちます。
仕太刀は左後ろに左足を引きながら、剣先を下げて相手の小手を抜きます。 - 仕太刀は相手に向かって右足を進め、小手を打ちます。
- 打太刀は左足から始めの位置に戻ります。
仕太刀は右足から始めの位置に戻ります。
3本目
- 打太刀・仕太刀ともに剣先を下げて下段の構えをとります。
- 打太刀・仕太刀ともに右足から大きく3歩前進します。
- 打太刀は剣先をゆっくり上げます。
仕太刀も打太刀を追うように剣先をゆっくり上げます。 - 打太刀は中段の位置まで剣先を上げたら、右足を出して相手の「みぞおち」を突きます。
仕太刀は左足から大きく下がって、相手の剣先が体の幅から外れる程度に、突きを萎やします。 - 仕太刀は右足を出して、相手の「胸」を突きます。
打太刀は右足を下げ、刀を裏に回して相手の突きを受け止めます。 - 仕太刀は左足を出して、もう一度突くように前進します。
打太刀は左足を後ろに下げて、刀を面に戻して相手の刀を受け止めます。 - 打太刀は左足から歩み足で3歩下がり、剣先を右下へ開きます。
仕太刀は右足から歩み足で3歩進み、剣先を相手の眉間につけます。 - 打太刀は徐々に中段の構えに戻ります。
仕太刀は左足から歩み足で2歩下がります。 - 打太刀は右足から歩み足で3歩前進します。
仕太刀は前の動きに続けて3歩歩み足で下がります。
4本目
- 打太刀は左足を前に出して、八相の構えをとります。
仕太刀は右足を後ろに下げて、脇構えをとります。 - 打太刀・仕太刀ともに左足から小さく歩み足で3歩前進します。
- 打太刀・仕太刀ともに右足を出し、左手を頭上にもってきてから、相手の面を打って切り結びます。
- 打太刀・仕太刀ともに鎬を削りながら、中段の構えになります。
- 打太刀は右足を前に出して、剣先を左に回しながら相手の右肺を突きます。
仕太刀は左前へ左足を進めると同時に左拳を頭上にもっていき、右足を左足の後ろの引きつけて相手の面を打ちます。 - 打太刀は左足から、始めの位置へ戻ります。
仕太刀は右足から、始めの位置へ戻ります。
5本目
- 打太刀は左足を前に出して、左上段をとります。
仕太刀は剣先を相手の左拳に向けます。 - 打太刀は左足から歩み足で大きく3歩前進します。
仕太刀は右足から歩み足で大きく3歩前進します。 - 打太刀は右足を前に出して、相手の面を打ちます。
仕太刀は左足から1歩下がりながら、相手の刀を擦り上げます。 - 仕太刀は右足から1歩進んで、相手の面を打ちます。
- 仕太刀は剣先を面から相手の眉間へもっていきます。そして、右足を下げて左上段をとります。
- 打太刀は剣先をゆっくり上げて中段の構えになります。
仕太刀は左足を下げて、中段の構えになります。 - 打太刀は左足から歩み足で小さく3歩下がります。
仕太刀は右足から歩み足で小さく3歩進みます。
6本目
- 仕太刀は剣先を下げて下段の構えになります。
- 打太刀・仕太刀ともに右足から歩み足で大きく3歩前進します。
- 仕太刀はゆっくり剣先を上げます。
- 打太刀は、相手の剣先を押さえる気持ちでやや剣先を下げます。剣先が触れそうになったら、右足を下げて左上段をとります。
仕太刀は、相手が上段をとったら剣先を相手の左拳に向けて、右足から1歩進みます。 - 打太刀は左足を下げて中段の構えに戻ります。
仕太刀も相手に合わせて、剣先を相手に向けます。 - 打太刀は右足を前に出して、相手の小手を打ち込みます。
仕太刀は左足を左へ開きながら相手の小手を擦り上げ、小手を打ちます。 - 打太刀は左足から左後方へ下がりながら、、剣先を左下にもっていきます。
仕太刀は左足を出しながら、剣先を相手の胸に向けそのまま左上段をとります。 - 打太刀は右足から始めの位置へ戻ります。
仕太刀も右足から始めの位置へ戻ります。
7本目
- 打太刀・仕太刀ともに中段の構えのまま、右足から歩み足で大きく3歩前進します。
- 打太刀は右足を出して、刃をやや左に回しながら相手の胸を突きます。
仕太刀は左足を下げて、腕を前に出して刃を左下に向けて相手の刀を支えます。 - 打太刀・仕太刀ともに中段の構えに戻ります。
- 打太刀は左足、右足と歩み足を出しながら、振りかぶって面を打ち、相手の足まで振り下ろします。このとき、目線が相手から離れます。
仕太刀は右足、左足と歩み足を出しながら、相手の右胴を打ちます。 - 仕太刀は右足を前に出し、体は相手に向けながら右膝を床につきます。刃は右方向を向け、腕は伸ばして刀をほぼ水平にします。
- 打太刀は目線だけ相手に向けます。
仕太刀は右手を右腰にもっていき、脇に刀をとります。 - 打太刀は右足を軸に回転して相手に対面します。回転しながら、左手を頭上に運んで振りかぶり、相手と合わせて中段に構えます。
仕太刀も左手を頭上に運んで振りかぶり、相手と合わせて中段に構えます。このとき、右膝と右足を結んだ直線が相手を向くようにします。 - 打太刀は左足から一歩大きく下がります。
仕太刀は右足を左足の前に出して立ち上がります。 - 打太刀・仕太刀ともに左足から歩み足で、始めの位置へ戻ります。
日本剣道形〜小太刀3本〜
小太刀1本目(8本目)
- 打太刀は左足を前に出して、左上段をとります。
仕太刀は右足を前に出して半身となり、剣先を相手の顔の高さにします。 - 打太刀は左足から歩み足で大きく3歩進み、進み終わりで面を打ち、相手の足まで切り落とします。
仕太刀は右足から歩み足で大きく3歩進み、相手の打ちに対して右足を右斜め前に進めて、左鎬で受け流し、面を打ちます。 - 仕太刀は左足から1歩下がり、同時に右手を頭上に持っていって残心を示します。
- 打太刀は剣先を相手に向けて、中段に構えます。
仕太刀は刀を下ろして、中段に構えます。 - 打太刀・仕太刀ともに、左足から始めの位置へ戻ります。
小太刀2本目(9本目)
- 打太刀は剣先を下げて下段の構えをとります。
仕太刀は右足を前に出して半身となり、剣先を相手の胸の高さにします。 - 打太刀・仕太刀ともに、右足から歩み足で大きく3歩進みます。
- 打太刀はゆっくり剣先を上げます。
仕太刀は上がってくる剣先を押さえる心持ちで、剣先を少し下げます。 - 打太刀は、剣先が小太刀にギリギリ触れないところで右足を下げながら脇構えとなります。
仕太刀は右足から1歩進んで間合いを詰めます。 - 打太刀は右足を出しながら左手を頭上に持っていき、相手の面を打ち、足まで切り落とします。
仕太刀は左足を左前へ進めながら右手を頭上にもっていき、右鎬で受け流し、面を打ちます。 - 仕太刀は腰につけていた左手で、相手の二の腕を下方向に押さえます。右手は腰にもっていき、剣先を相手の喉に向けます。
- 打太刀は左足から始めの位置へ戻ります。
仕太刀は右足から始めの位置へ戻り、左手は再び腰につけます。
小太刀3本目(10本目)
- 仕太刀は右足を前に出して、剣先を下げて下段半身の構えとなります。
- 打太刀・仕太刀ともに右足から歩み足で大きく3歩前進します。
- 打太刀は前進の3歩目で振りかぶって面を打ちます。
仕太刀は3歩目で剣先を真上にあげて、相手の面を擦り上げます。 - 仕太刀は擦り上げた相手の刀を左前方へ向かって擦りおろします。
- 打太刀は左足を前に出して、相手の右胴を打ちます。
仕太刀は左足を前に出して、相手の刀に対して擦り流します。 - 仕太刀は右足を左足の後ろに引き付けながら、刀を擦り込みます。同時に左手で相手の腕を上方向に押さえます。
- 打太刀は右足から歩み足で3歩下がります。
仕太刀は左足から歩み足で3歩進みます。 - 仕太刀は、右手を右腰にもっていき、剣先を相手の喉に向けます。
- 仕太刀は剣先を相手に向けたまま、前にある左足から下がります。腕から離れた左手は腰に戻します。
打太刀は右足から始めの位置へ戻ります。
まとめ
今回は、日本剣道形の動き方だけをなるべくシンプルにお伝えしました。
この記事内に貼り付けた動画は、下の「剣道昇段塾」というYoutubeチャンネル内での動画となっています。
動画で学びたい方はぜひ、チャンネル登録してみてください!
審査本番までは、繰り返し稽古してください。
頭で分かったような気がしていても、実際動くとなると上手くいかないことが多いです。
鏡を見ながら稽古すると、客観的に自分の動きを見れるのでオススメです。
動き方をしっかり身につけましょう!
以上、ケンドーショーダンでした。