正面素振りで意識すべきポイントを徹底解説!これでみんなも強豪に!
剣道の稽古の中で、「正面素振り」は最も基礎的な動作です。剣道を習い始める時も、初心者に指導する時も、まず正面素振りから始めるでしょう。
基礎基本であるがゆえ、きちんとポイントを押さえることが上達への近道です。
さらにレベルアップするためには、どこを意識したら良いの?
どういう点を押さえて指導すれば、子どもたちは成長するの?
今回の記事では、正面素振りで意識すべきポイントについて解説します。
ポイントを全てマスターできれば、「切る」打ちができるようになります。自分の動作と同じか、1つ1つチェックしながら読み進めていただければ幸いです。
- 正面素振りですべきポイント
- レベルの高い正面素振りのやり方
- 正面素振りの方法を学びたい方
- 正面素振りをさらにレベルアップしたい方
体の意識
速く振る、真っ直ぐ振るといった「振り」ではなく、まずは「体」をどう使うかを確認しましょう。体を正しく使うことができれば、大きく、速く、強く振ることができます。
なお、正面素振りで意識するポイントは、正しく構えた状態から始動することを前提としています。正しい構えについてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてください。
足
- 始動は足から
- 足の引きつけは速く
始動は足からです。初心者がやりがちな動きは、腕からの始動し、振りかぶってから右足を前に進める動作です。
目的によっては、振りかぶってから足捌きをする、という動作も間違いではありません。ですが、まず基本では手や腕からではなく右足を始動させてから振りかぶるようにしましょう。
この動きを身につければ、「足攻め」を初心者の段階から身につけることができます。
そして、振り下ろしの際は足の引きつけを速くしましょう。不思議なことに、足を速く引きつけられれば、振り下ろしの速度も速くなります。
速く振りたい場合は、足の引きつけを意識しましょう。
体幹
体幹に関しては、動きが加わったとしても「構え」の状態を維持しましょう。
すなわち、背筋を伸ばし、腰から頭まで体を1本の線としたまま、地面に対して垂直な姿勢を維持します。振りかぶりや振り下ろしの際に、前後に傾斜しないようにしましょう。
上半身
振りかぶり
構えの状態からそのまま振りかぶりましょう。
そのまま振りかぶるってどういうこと?
肩を中心にして、腕を回して振りかぶるイメージです。そうすれば、握りや肘の角度はそのままで振りかぶることができます。
腕ではなく肩をしっかり使って振りかぶりましょう。
打ち終わり
振り下ろした後の打ち終わりの形は非常に重要です。正しい動きをしていれば、自然と打ち終わりは正しい形になります。そのため、終わりの正しい形を目標にして、振り下ろすようにしましょう。
具体的には以下の3点を意識しましょう。
- 竹刀の上から握る
- 左手はみぞおちの高さ
- 剣先は自分と同じ背の相手の眉間の高さ
竹刀を上からではなく、横から握ると肘を痛めてしまいます。右手も左手も、軽く親指を内側に入れ込むようにすると、自然と上から握ることができます。
また、右手中心で振っていると、打ち終わりの左手が浮いてしまい、肘が曲がってしまいます。左手がみぞおちの高さまで下ろすことにより、左腕をしっかり伸ばすことができます。
一方、左手を下ろすと竹刀が立ってしまい、剣先が下がりきらないことが多いです。剣先は、自分と同じ背の相手の眉間まで下ろすようにしましょう。この時、右手を握りしめていると、剣先が下がりません。右手の特に、親指と人差し指を緩めるようにして、手首を効かせましょう。
振りの意識
体の使い方や形の意識を身につけてから、振りの意識もしましょう。
剣先を速く振る
振り下ろしの剣先は速く振り下ろすようにしましょう。こちらは、上でも書いた通り、左足の引きつけを速くすれば、自然と速く振れます。
さらに高いレベルで振る場合、振り下ろしの最後に手首を使って、相手の頭を丸ごと切るような心持ちで振りましょう。
1拍子(一挙動)で振る
振りかぶりと振り下ろしを1拍子で振りましょう。力を抜いたまま、正しい形で、早い速度で振るというのは非常に難しいです。
まずは、基本の動きを身につけて、1拍子で振れるようになりましょう。「力を抜いたまま」というところが大事です。
軽い刀で振って力を抜く感覚を身につければ、竹刀を振っても力の抜けた一挙動の打ちが打てるようになりますよ!
初心者の場合は二挙動から
初心者でいきなり、体・振りの意識を両方とも完璧にこなすのは非常に難しいです。ですので、初心者のうちはまず一つずつ確認しながら取り組みましょう。動きの確認のためは、二挙動での正面素振りが最適です。二挙動とは、振りかぶりと振り下ろしを分けた動きです。
二挙動の正面素振りの稽古はこちらの記事で解説しています。
焦らずにステップアップしていくことが大事です。
素振りでなく打ち込む場合
番外編ですが、面を着けた人やタイヤに対して、正面打ちをする場合もあると思います。その場合、空間を打ち込む素振りとは少しだけ異なります。
素振りの場合、振り下ろしの時に剣先を相手の眉間まで下ろすということを書きました。同様にして何かに打ち込む場合、眉間まで振り下ろす心持ちで振り下ろし、その時に脱力できていると、反動で剣先が上がります。
ボールが床に落ちると跳ねるのと同じです。自然な動きとなるように、脱力しましょう。
どれくらい剣先が上がるの?
これは非常に難しい質問です。先生によっても回答が異なることも多いです。
最近の私の意識をお伝えすると、左手が肩の高さ、右手が頭の前くらいまで上がるくらいの脱力をしています。これは踏み込んで面に打ち込む時、打った後早く抜けるために上半身の力を抜き、腰を前にもってきやすくするためです。
打ち込みの場合は、さらに実戦を意識して、踏み込んで抜けるところまでイメージして振るようにしましょう。
まとめ
今回は、正面素振りで意識すべきポイントについて解説しました。
「体」と「振り」の意識については以下を意識しましょう。
◯足
→始動は足から
→足の引きつけは速く
◯体幹
→構えのように背筋が伸びた状態を維持する
◯上半身
→肩を中心とした回転で振りかぶる
→竹刀の上から握った状態で左手はみぞおちの高さ、剣先は自分と同じ背の相手の眉間の高さ
- 剣先を速く振る
- 1拍子(一挙動)で振る
まだ全てを意識することが難しい場合は、まずは二挙動の素振りで各要素を押さえましょう。
また、打ち込む場合は、打った後の脱力を特に意識しましょう。
正面素振りだけでも、毎回の稽古の意識を変えるだけで、他のライバルと大きく差をつけることができます。
基本をしっかり押さえて、揺るぎない実力を身につけましょう!
以上、ケンドーショーダンでした。