剣道六段・七段審査の合格に必要な条件はこれ!過去審査の講評からポイントを見つけました!


なかなか六段に合格しないよ〜。難しい。。



審査員の先生のアドバイスを見てますか?ヒントが書いてありますよ!
六段や七段は全国審査となり、合格に対して五段までとはまた違った価値を感じる方も多いでしょう。また全国審査ゆえ、審査を受けるために遠出をしなければいけないこともあります。
そのため、なるべく早く合格したい気持ちをより強く感じると思います。
今回はその手助けとなるように、剣道六段・七段審査の合格に必要な条件を、過去の審査の講評から考えたいと思います。
皆さんの審査に挑むヒントとなれば幸いです。
- 六段・七段審査の合格の条件
- 過去の審査から重視されているポイント
- 六段・七段審査に合格したい方
前提:全剣連が定める合格の条件


「剣道・居合道・杖道称号・段級位審査規則/同細則」には各段位の付与条件が記載されています。
六段は、剣道の精義に錬達し、技倆優秀なる者
七段は、剣道の精義に熟達し、技倆秀逸なる者
八段は、剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者
正直これだけでは良く分からないですよね。これのヒントとなることが審査会後の寸評に記載されています。
審査会後に公表される寸評
寸評は、全日本剣道連盟のホームページに記載されています。また、各道場に配布される「剣窓」にも記載がされています。



最近の結果を1つ1つ見れば良いのは分かるけど、ちょっとめんどくさいなぁ。。



今回、私の方で過去の審査会の寸評をまとめてみました!
もし一覧で見たい方がいらっしゃれば、以下から購入することができます。
Coming soon……
過去5年間の寸評まとめ
直近5年間の寸評を見てみると、共通したポイントが見えてきました。共通しているということは、大事なことである可能性が高いので、そのポイントをご紹介いたします。講評した先生目線での語り口調となっていますが、どうか初心に戻ったつもりでお読みいただければと思います。
なお、六段・七段の寸評は同じことが多いので、共通のものと認識いただけたらと思います。
着装


美しい着装が求められることは十分承知のことと思います。近年は比較的指摘は少ないですが、以下の視点で着装が正しいか、美しいかは見られています。
- 剣道具・剣道着が色褪せていないか
- 剣道着の腕の長さ、袴の丈の長さが短くないか
- 袴は前下がりになっているか
- 面紐の長さは適切か
- 紐の結びが縦結びになっていないか
- 腰回りに剣道着のシワが無いか
改めて、自分はできているかどうか確認しましょう。
構え


有効打突の条件にある通り、「充実した気勢」「適正な姿勢」をまず構えで体現することが求められます。
充実した気勢については、「相手の度肝を抜くほどの気迫」とも表現されています(2025/2/16)。興味深いポイントとしては、自分から発声するのではなく、「相手が発声してから数秒おいて発声する方が格上に見える」というコメントもありました(2023/11/15)。
適正な姿勢については、「左手の小指を目一杯柄にかけ、右手の拳は鍔からわずかに離す」(2021/11/13)という握り方の説明があります。そして、左足、左腰、左手が一体となって安定している、かつ、力まずいつでも打てる状態が良いとも記載がありました。
攻め・崩し・打つ


最も寸評の中でコメントが多かったのが、「攻め崩して打つ」過程の一貫性です。昇段審査で最も評価されると言っても過言ではないでしょう。
自分勝手に打つ、あるいはただ反応するような剣道では評価されません。無駄打ちとならないように、一本一本に意図と迫力を込めることが求められます。
間合いに着目して表現すると、触刃から一足一刀に入る間で「攻め」を行います。相手の心や構えを崩す工夫が必要ですが、相手が動かない場合、溜めも駆使することにより打突に説得力が出ます。
そして、気剣体が一致した打突をし、「打ち切る」ことが求められます。技が決まったあとは油断なく身構え・気構えを保つことで、一本の質が際立ちます。
また、ただ自分が制して打つだけでなく、相手の動きを見て「引き出して打つ」ことができれば、より高い評価に繋がります。
高齢者や女性向けの寸評


一般的な成人男性と比べて、高齢者や女性は体格面でハンディキャップがあります。そのことについても寸評で言及されています。
高齢者の評価ポイント
少なからず体力が若干衰えたとしても、気の充実と気剣体一致の打突があることが求められます。年齢・体力に応じた体さばき、経験を活かした玄妙な技が見られるというのも、ポイントの1つですね。
かといって、体力低下しないための努力も必要です。早歩きや筋トレの提案もされています。
女性剣士の評価ポイント
男性よりもスピードやパワーの不足はあるので、しなやかな剣さばき・体さばきで補いましょう。
無理・無駄打ちせず、的確に打突の機会を捉えるというのは、男性女性問わず、大事なポイントです。攻めと溜めがあり、出ばな技や理合いに適った応じ技の工夫が見られると品格が生まれます。
寸評で印象に残った言葉
上記のようにまとめる中で、個人的に印象に残った言葉をご紹介します。
丹田【大将】、足腰【侍】、上半身【足軽】、手首は【泥棒猫】
2025年2月山梨の審査での寸評です。それぞれのカッコの中の表現の動きを考えれば、イメージしやすいかと思います。
- 丹田:どっしり構える、安定させる
- 足腰:攻める時は思い切って攻める
- 上半身:身軽に臨機応変の対応ができる
- 手首:一瞬の隙をついて機を逃さず、確実に捉える
比喩的に表現することで、頭に入りやすく、非常に分かりやすい表現だと思います。
昨日を追う勿れ 明日を待つ勿れ 今のこの時を逃す勿れ
2022年11月愛知の審査での寸評です。これはマインド面での教訓ですね。
気持ちとして、過去のことは引きずらず、未来のことを期待せず、ただ今この瞬間に対して集中せよと言うことだと私は解釈しています。
邪念に心を動かされないということを、より具体的に表現したものと言えます。
技は基本、心は覚悟
2022年5月愛知での審査の寸評です。この言葉は対象をイメージすると分かりやすいです。
技は、応用でなく、基本が大事、心は、迷いではなく、覚悟が大事、と解釈することができます。
すなわち、基本に忠実な技を、捨て切って出す、と言うことをシンプルで聞き心地よく表現していると言えます。
当たり前のことでも、違う言葉で表現されると新たな気づきが得られますね。
まとめ
今回は、剣道六段・七段審査の合格に必要な条件を、過去の寸評からまとめました。
分かっていてもできないと言うのが、私含め皆様の悩みかなぁと思っています。
あとは、意識しながら稽古するしかないです。意識できると言うことは非常に重要で、それだけでも稽古の質が格段に上がります。
「無心で意識」ができるようになれば、合格も近いと思っています。より高みを目指して、ともに励みましょう!
以上、ケンドーショーダンでした。