打った時の左足の引きつけが速く、跳ね足にならない方法を解説!
面を打った時に左足が跳ねたり、残ったりしてると先生から言われちゃう。どうしたら直るんだろう?
剣道を続けていて、多くの人がぶつかる壁の1つとして、「打った後の左足」があります。上手くできていないと、左足が残って引きつけが遅くなったり、足の裏が見えるくらい左足が跳ねてしまったりします。
この記事では、そもそもなぜ左足が跳ね足になったり残ったりしてはダメなのか、その原因・対策を紹介します。
左足を直せば、剣道をステップアップできます。お悩みの方の解決に繋がれば幸いです。
- 跳ね足がダメな理由
- 跳ね足の原因と対策
- 左足が跳ね足になったり、残ったりする方
- 左足を直す指導方法を知りたい方
跳ね足がダメな理由
跳ね足がダメな理由は以下の2つです。
- 次の技が出せない
- 審査員への印象が良くない
次の技が出せない
打った後に左足が跳ねてしまう、残ってしまうと、技が外れた時に次の技を出すことができません。二の太刀・三の太刀の技を出すためには、打った後にすぐさま打つ前の体勢、すなわち「構えの体勢」に戻る必要があります。
逆にいうと、左足が跳ね足だと打った後が弱点になってしまいます。そこを狙われると対応ができません。
自分が攻めるためにも、相手の動きに対応するためにも、左足の管理は重要です。
審査員への印象が良くない
昇段審査をイメージしてください。2名の受審者が構え合い、その姿を横から審査員が見ています。横から見ているため、左足が残っている様子が良くわかります。
正しい剣道を身につけているか、レベルの高い剣道をしているかを判断する審査員は、左足が残っていると「まだ未熟だ」と判断してしまいます。
昇段するためにも、左足をきちんと直しておきましょう。
跳ね足の原因
では、なぜ跳ね足になるのでしょうか。その原因は、体重の乗せ方にあります。
跳ね足になっている時には、踏み込んでいる右足に体重が乗っています。左足がフリーになっているがゆえ、跳ね足になったり残ってしまったりするわけです。
跳ね足にならない対策
原因がわかった上で、跳ね足にならない対策を説明します。以下の3点に気をつけましょう。
- 打った後に即座に左足に体重を乗せる
- 左足に体重を乗せた構え
- 打ちと同時になるのは踏み込みではなく、左足の引きつけ
即座に左足に体重を乗せる
左足をフリーにさせないためには、右足から左足に体重をすぐさま乗せ替えてしまいましょう。
そうすると、左足を意識して引きつけるというより、体重の乗せ場所を確保するために無意識的に左足を引きつけることができます。
打ち以外の普通の足捌きでも、「左足への体重の乗せ替え」は常に意識しましょう。左足が動く場面は、相手にとって打つ機会となってしまいます。いつでもすぐ左足に体重を乗せられるようにしましょう。
左足に体重を乗せた構え
そもそも、構えで左足に体重が乗っていないと、先ほどの体重の乗せ替えは難しいです。左足に体重を乗せた正しい構えをしましょう。
左足に体重を乗せたら、出遅れちゃうんじゃないの?
特に若い方はこのように感じるかもしれません。この不安を感じる方は、間合いが近い可能性が高いです。遠間からの攻めを意識できるようになると、左足に体重を乗せる方が攻めに圧力が生まれます。
正しい構えをするからこそ、左足に体重を乗せることができます。跳ね足を直すのと同時に、正しい構えも身につけてしまいましょう。正しい構えをするにあたってのチェックポイントは、以下の通りです。
- 左手の親指の付け根が「おへそ」の前にあるか
- 左手と胴との間に握りこぶし1つ分の隙間があるか
- 胸を張っているか
- 頭が前に倒れていないか、相手を見下ろすように構えられているか
- 左足のひかがみが曲がりすぎていないか
「構え」についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
打ちと同時になるのは踏み込みではなく、左足の引きつけ
「打ちと踏み込みが一緒になるように」と初心者に指導する方も多いでしょう。確かに、始めのうちはこの説明が分かりやすいです。
ですが、ある程度のレベルになったのならば、「打ちと同時になるのは左足の引きつけ」ということを意識しましょう。
素振りをイメージしてください。素振りでは踏み込みを行わないため、振り下ろしと同時に左足を引きつけます。打ちもこの形になるべく近づけましょう。
これができるようになると、結果的に打ちの冴えにも繋がります。そしてより遠い間合いからも打てるようになります。
「両足踏み込み」なんて表現される先生もいますね。こちらの養浩館道場の動画が非常に分かりやすいです。
まずは面をつけない状態で、一人稽古で形を確認して身につけましょう。
試合での跳ね足は仕方ないところもある
でも、全日本選手権に出場している選手でも跳ね足になってますよね?
その通りです。試合は勝ち負けを決める真剣勝負です。形にこだわりすぎるより、1本を取ることに意識を向けるべきだと思います。
一方で、こういった選手の基本打ちの様子を見てみてください。左足の引きつけはとても速く、隙が全くありません。「基本ができている上で、試合では少し形が崩れる場面がある」ということです。
勝ちにこだわって跳ね足になるのは仕方ない部分もありますが、普段の稽古では跳ね足になったり左足が残ったりしないよう、先ほどの対策を実践しましょう。
まとめ
今回は、左足が跳ね足になったり残ったりしてはダメなのか、その原因・対策を紹介してました。
左足が跳ね足になってはいけない理由は以下の2つです。
- 次の技が出せない
- 審査員への印象が良くない
そして、左足が跳ね足にならない対策としては以下の3つがあります。
- 打った後に即座に左足に体重を乗せる
- 左足に体重を乗せた構え
- 打ちと同時になるのは踏み込みではなく、左足の引きつけ
特に3つ目の「打ちと同時に左足を引きつける」ことは非常に有効です。打ちの冴えやキレにも繋がってきます。
ぜひ基本打ちでは、左足の残らない打ちができるようにしましょう。
以上、ケンドーショーダンでした。